当社の色合わせには、ブラシを使う事もありますが、基本的に筆で塗り合わせる仕上げになります。
顔料の種類も多く、最初は色の特徴や組み合わせを覚えるのが大変です。
講座生の方や新入社員が苦労するのも、この工程だと思います。

何度も練習をしてやっと、“AとBとCの顔料を混ぜ合わせると、この色になる“というのが何となくわかるようになります。
あとは溶剤と希釈する濃度や塗り方など、技術的な部分も繰り返しの作業の中での研究が必要です。
もっと簡単に手早くやる方法もあるとは思いますが、工程を短縮したやり方ではできない表現が筆合わせでは可能だと思います。
例えば、ブラシで下地の色を塗布した後に木目だけを描く方法もありますが、ブラシでは範囲も大きくなりますし、どうしても一度塗り潰しに近い隠蔽をしてしまうので、細かい木目や色がなくなってしまいます。
筆であれば、小さい部分での隠蔽、また濃度の調整で下地の色を透かす事もできます。描写力をつければ、細かい点や線でよりリアルな表現をすることも可能です。
身につくまでは研鑽が必要ですし、初めは面倒に思われる作業ですが、出来るようになれば強みの多いやり方です。